ノリノプロ スペシャル対談(ページ2)

「理系の学生とか絶対好き。工業製品の素晴らしさが詰まってる」

小橋 :

クリーンローラー」もリフィルと一体になっているので交換できて、いつまでもキレイな状態が保てるんです。あまり評価されないですけど...(苦笑)

クリーンローラーとは...ローラーに付着した糊カスを除去する先端内部に配した自動お掃除機構

きだて :

「クリーンローラー」が評価されない原因はたぶん実感しづらいからですよ。のり切れもよくてクズが出にくいから。僕は『ノリノプロ』をもう3巻使ってますけど、まだ「クリーンローラー」のよさがいまいちわかりません。

日名子 :

それは使い方が上手なんですよ。けっこうのりカスって出ますから。

小橋 :

そのカスがローラーの軸とかについちゃって故障の原因になったりするんです。

きだて :

そうなのか...。あと、これ聞きたかったんですけど、リフィルを交換するために本体ケースのロックを解除すると、先端ローラーがぐるっと半回転して後方に引っ込むじゃないですか。これはなんでこうしたんですか?

小橋 :

先端ローラーに使用しているパーツが少し高価なので、先端ローラーは本体に残してリフィルのコストを抑えたかったのが一点。エコ的な観点から捨てる部分を減らしたかったのが一点。ぐるっと回転させることで新しいリフィルのテープに適度なテンションを加えて、使い出しの心地よさを出したかったのが一点。以上の三点の理由からです。

日名子 :

この回転、誤作動を防ぐために、本体ケースを閉めた状態でないとできないようになっているんですよ。

きだて :

え?あぁ本当だ。でもどうしてケースを開けたままだと回らないんだ?あ、悔しい...! これは宿題にして持ち帰って突き止めます。いやぁでも『ノリノプロ』は本当に変態的なギミックを使っているという印象です(笑)

スライドレバーのガチャッとした感触もいいんですよ。理系の学生とか絶対好きだと思う。プラスチックの組み合わせだけで、この機械感が出せるんだって。工業製品の素晴らしさが詰まっています。インダストリアルデザインをやっている人は、絶対に注目すべき。すごく勉強になると思うな。

日名子 :

今回は内部設計だけでなくて、本体ケースの形状デザインも小橋くんがやったんです。内部の搭載機能を追求していったら、この形持ちやすいじゃんって。

きだて :

確かにそうなんですよ。僕、工作とかで2時間くらいテープのりを持ち続けることもあるんですが、『ノリノプロ』の持ちやすさはすごく実感してます。あと設計者的に自慢したいポイントは?

小橋 :

やはり中の「パワーギア」です。心臓部ですね。もっとも伝わらない部分なんですけど...。テープのりって各メーカーほぼ同じ機構なんです。で、弊社に限らず故障するというイメージが尽きない文具で、そこをなんとか解決したいと考えました。

※パワーギアとは...故障の原因となるテープのたるみ・からまりを事前に防ぐ、テープを巻き取る歯車の構造。

きだて :

故障を少なくするには、常にテープにテンションをかけ続けて、テープが絡まないようにすればいいわけですよね?

日名子 :

すごい!おっしゃる通りです!

小橋 :

設計者と話してるみたい!まったく違和感なかったです。おっしゃる通りで、各メーカーともテープにかけるテンションを強くするか弱くするかの違いくらいしかない。我々はそこから脱しようと、故障の原因になるたるみや絡みが発生しそうになった時、そのテープを巻き取れる歯車を新たに加えることにしたんです。

きだて :

問題が起きた時に、もうひと巻き取りしてテンションかけようと。

小橋 :

そうです!これがですね、パワーギアの説明用に作った模型なんですけど...ここがこうなってまして...云々。

きだて :

なるほどぉぉぉぉぉぉ!すごい!!!!

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